ゲーミングPCのパフォーマンスを最大限に引き出すためには、適切な電源ユニットの選択が重要です。
電源ユニットは、PCの各パーツに必要な電力を供給する役割を果たし、その性能や安定性はPC全体の動作に大きな影響を与えます。しかし、電源ユニットの選び方は一見複雑に見え、どのモデルを選べばよいのか迷う人も多いです。
この記事では、そんな電源ユニット選びの悩みを解消するため、ゲーミングPCにおすすめの電源ユニットを5つ紹介します。
また、電源ユニットの選び方の基本的なポイントや、よくある質問についても詳しく解説していますので、これらの情報を参考にして、ゲーミングPCに最適な電源ユニットを選びましょう。
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ゲーミングPCに必要な電源容量は?
ゲーミングPCに必要な電源容量は、使用するパーツの種類と数によります。とくに、CPUとGPUはPCの消費電力の大部分を占めるため、これらのパーツのTDPを合計して、必要な電源容量の基本的な目安とします。
PCの安定動作を保つためには、計算された消費電力に対して一定の余裕を持ちましょう。ゲーミングPCは、TDPの合計値に30%以上の余裕を加えた数値が適切な電源容量とされています。
ゲーミングPCの電源の選び方
電源ユニットの選び方はさまざまありますが、重要なのは電力です。消費電力をカバーできる容量がないと、ゲーミングPCが動かなくなってしまいます。そのため、搭載しているパーツの消費電力を調べてから電源ユニットを選ぶのがおすすめです。
多数ある電源ユニットからよりよいパーツを選ぶ方法は、BTOメーカーで採用されているパーツから選ぶのもよいといえます。
CPUとGPUのTDPから選ぶ
CPUとGPUのTDP(Thermal Design Power)は、それぞれのパーツが消費する電力の最大値を示します。これらの値を合計し、さらに一定の余裕を持たせた数値が必要な電源容量です。
TDPは「熱設計電力」とも呼ばれ、パーツが発生する熱量を示す指標ですが、消費電力の推定値としても利用されます。以下に、Intel Core第13世代とAMD Ryzenの一部のCPUとGPUのTDPを表にまとめました。
これらの値を参考に、自分のゲーミングPCに必要な電源容量を計算してみてください。
パーツ名(CPU) | TDP |
---|---|
Intel Core i9-13900K | 125W |
Intel Core i7-13700F | 65W |
Intel Core i5-13500 | 65W |
Ryzen 9 7950X | 170W |
Ryzen 7 7700 | 65W |
Ryzen 5 7600X | 105W |
パーツ名(GPU) | TDP |
GeForce RTX 4090 | 450W |
GeForce RTX 4070 | 200W |
GeForce RTX 4060 | 160W |
Radeon RX 7900 XTX | 355W |
Radeon RX 6900 XT | 300W |
Radeon RX 6700 XT | 230W |
TDPはあくまで最大消費電力の目安であり、実際の消費電力は使用状況や設定により変動するため、注意が必要です。AMDではTBP(Typical Board Power)という指標も用いられており、これはGPU全体の典型的な消費電力を示しています。
80PLUS規格から選ぶ
80PLUS規格は、PC電源ユニットの電力変換効率を示す規格であり、ゲーミングPCの電源ユニット選びにおいて重要です。
この規格は、電源ユニットが交流(AC)電力を直流(DC)電力に変換する際の効率を評価しています。変換効率が高いほど、電源ユニットは電力を有効に利用でき、無駄な発熱を抑えられることが可能です。
80PLUS規格は、以下の6つのランクに分けられており、それぞれの電源変換率も記載しました。
電源負荷率 | 20% | 50% | 100% |
---|---|---|---|
STANDARD | 80% | 80% | 80% |
BRONZE | 82% | 85% | 80% |
SILVER | 85% | 88% | 85% |
GOLD | 87% | 90% | 87% |
PLATINUM | 90% | 92% | 89% |
TITANIUM | 92% | 94% | 90% |
これらの数値は、電源ユニットが20%、50%、100%の負荷で動作しているときの変換効率です。一般的に、電源ユニットは50%の負荷で最も効率的に動作します。
80PLUS規格の電源ユニットを選ぶと、電力の無駄を抑え、PCの安定性を高められるだけでなく、PCの寿命を延ばすことも可能です。
BTOショップで採用されているモデルから選ぶ
BTOメーカーで採用している電源ユニットは実績があるため、メーカーを記載しているBTOショップから電源ユニットを選ぶのがおすすめです。ゲーミングPCのBTOショップでは、多くの場合、各種パーツの選択ができますが、パーツのメーカーを記載していないショップもあります。
電源ユニットは、PCの安定動作に直結する重要なパーツであるため、失敗をしたくない人のために、電源ユニットのメーカーが記載されているBTOショップをピックアップしました。
- ドスパラ
- サイコム
- セブン
- ツクモ
- パソコンSHOPアーク
このBTOメーカーには、電源ユニットのメーカーが記載されていますので、参考にしてみてください。
おすすめ電源ユニット5選
おすすめの電源ユニットを紹介します。どのモデルもBTOメーカーで採用されている実績があります。電源ユニット選びに迷っている人は参考にしてください。
CORSAIR CX550
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CORSAIRのATXサイズの電源ユニットです。
容量は、550Wで80PLUS BRONZE認証となっています。
120mmの熱制御ファンが搭載されており、高負荷時には高速回転、低負荷時には減速して回転するように設計されています。
RGBなどは搭載されていませんが約7000円以下で買えるコスパの高い製品であるため、ベーシックなATX電源が欲しい方におすすめです。
メーカー | CORSAIR |
---|---|
容量 | 550W |
80PLUS認証 | BRONZE |
サイズ | 約150×125×86mm |
重量 | 約2.18kg |
玄人志向 電源 KRPW-BKシリーズ 80PLUS Bronze 650W ATX電源
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玄人志向のATXサイズの容量が650Wの電源ユニットです。
80PLUS BRONZEの基準になっており、効率のよい電源変換率を発揮します。
注目すべきは、すっきりとした配線プラグイン仕様と、+12V重視の合計54.1Aのシングルレーン出力です。
奥行き14cmとコンパクトながら、12cmの静音ファンを搭載しており、静かな動作をしながら、適切な冷却性能も確保しています。
自作の組み立て以外にも電源交換にも最適の電源ユニットです。
メーカー | 玄人志向 |
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容量 | 650W |
80PLUS認証 | BRONZE |
サイズ | 約150×140×86mm |
重量 | 約1.5kg |
Fractal Design Ion+ 2 Platinum
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Fractal DesignのATXサイズ、容量860Wの電源ユニットです。
80PLUS規格基準がPLATINUM認証となっており、電源変換効率が非常に優れています。
信頼性の高い日本メーカー製105℃コンデンサ採用しており、システムの安定性と高い信頼性を獲得しています。
設置時には、配線しやすいUltraFlexケーブルを採用しており、PCケースの裏配線もしやすく、初心者の方から使い慣れた玄人の人まで使えます。
また、セミファンレス動作の「Zero RPMモード」が搭載されており、低負荷時にファンを停止させることができます。
Plutinaum認証の高効率電源との相性はよく、ほぼ無音の静音電源となっています。
メーカー | Fractal Design |
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容量 | 860W |
80PLUS認証 | PLATINUM |
サイズ | 約150×150×86mm |
重量 | 約2.53kg |
Seasonic SSR-850FX FOCUS Plusゴールド850W
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シーソニックのATXサイズ、容量850Wの電源ユニットです。
80PLUS基準では、GOLD認証を受けており、出力が高いですが、変換効率も優れています。
この電源ユニットはフルモジュラー式で、必要なケーブルだけを接続できるため、PC内部のケーブル管理が容易になり、空気の流れもスムーズで、熱問題に悩みません。
TTL入力仕様レベルが低いため、一部のマザーボードでは認識しない恐れがあるので、購入前には自身のマザーボードとの互換性を確認しましょう。
ハイスペックなPCを組みたい人や、ケーブル管理をスムーズに行いたい人におすすめの電源ユニットです。
メーカー | シーソニック |
---|---|
容量 | 850W |
80PLUS認証 | GOLD |
サイズ | 約150×140×86mm |
重量 | 約1.6kg |
Thermaltake TOUGHPOWER GF1
By: amazon.co.jp
ThermaltakeのATXサイズの容量が1000W電源ユニットです。
80PLUS認証はGOLDになっています。
RTX 4080シリーズ推奨電源としてリリースされたモデルのため、ハイエンドのGPU向きです。
ほかに(550W、650W、750W、850W、1000W)のラインナップもあります。
注目すべきは、優れた電圧制御により、±2%以下の優れた電圧制御を実現している点です。
供給される電圧にゆらぎが少ないため、PCパーツに負荷をかけにくく、安定した動作が可能となっています。
さらに、「Smart Zeroファンモード」機能に対応しており、負荷に応じてファンの回転数を止められます。
これにより、電源ユニットの騒音を最小限に抑えることが可能です。
ハイスペックのゲーミングPCで、RTX 4080以上のパーツを搭載したい人に向いています。
メーカー | Thermaltake |
---|---|
容量 | 1000W |
80PLUS認証 | GOLD |
サイズ | 約150×160×86mm |
重量 | 約1.8kg |
ゲーミングPCの電源についてよくある質問
ゲーミングPCの電源については、多くの質問や疑問が記載されることが多いです。
とくに、電源ユニットの交換の難易度、電源を切るべきかどうか、ゲーミングPCの電気代については、多くの人が関心を持っています。
電源ユニットの交換は難しい?
電源ユニットの交換は、一部の人にとっては難易度が高い作業と感じますが、適切なガイドと工具があれば、ほとんどの人が自分で行えます。
ただし、電源ユニットはPCの安全性に直結する部分なので、不安な場合は専門家に依頼しましょう。
交換をできる限りしないために、ゲーミングPCを自作で組み立てる場合は、電源容量を大きくしておくとアップグレードをしても電源ユニットの交換は不要になります。
ゲーミングPCの電源は切るべき?
ゲーミングPCの電源を切るかどうかは、使用状況と個々のニーズによります。
長時間使用しない場合や、電気代を節約したい場合は、電源を切りましょう。
しかし、すぐにPCを使用したい場合や、アップデートを自動で行いたい場合は、スリープモードにすると便利です。
長時間使わないのに電源を入れておくとPCの寿命が短くなる恐れがあります。
ゲーミングPCを長く快適に使用したい人は、こまめに電源を落とすのがおすすめです。
ゲーミングPCの電気代って高い?
ゲーミングPCの電気代は、使用するハードウェアと使用時間により違いますが、一般的なPCと比べると高いといえます。
ハイスペックなゲーミングPCほど電力の消費が多いです。
しかし、電源変換効率のよい電源ユニットや省エネルギー設定を使用することで、電気代を抑えられます。
電気代を抑えたい人は、電源変換効率のよい電源ユニットを搭載させるか、こまめにスリープや電源を切る行動をするのがおすすめです。
まとめ
この記事では、ゲーミングPCの電源ユニットの選び方について詳しく解説しました。
CPUとGPUのTDPから電源容量を計算し、それに基づいて電源ユニットを選ぶことが重要です。
また、電源ユニットの選択においては、80PLUS規格が重要といえます。
ゲーミングPCの電源についてのよくある質問に対する答えも紹介しました。
電源ユニットの交換の難易度、電源を切るべきかどうか、ゲーミングPCの電気代についての情報は、ゲーミングPCの電源選びに役に立ちます。
これらの情報を元に、自分のゲーミングPCに最適な電源ユニットを選びましょう。