ゲーミングPC

Ryzen9 5900Xのベンチマーク:ゲーミング性能をまとめて紹介!

Ryzen9 5900Xは世代が古く、現在Ryzen9 5900Xを搭載したゲーミングPCは基本的に販売されておりません。Ryzen9 5900Xよりも新しい世代の製品を搭載した次世代機・後継機については、以下の記事で紹介しておりますので、ぜひご確認ください。

現在はミドルクラスCPUに位置する、AMD製Ryzen9 5000シリーズであるRyzen9 5900X。

発売された当時では珍しい多コアのCPUで、12コア24スレッドというスペックは画期的なもの。現在はintel製第12世代Core iシリーズの「Core i7-12700」と同等の性能ですが、当時ゲーミング最強に位置していた「Core i9-10900K」に匹敵する性能を持つCPUとして世間を騒がせていました。

現在は上位モデルとして「Ryzen9 5950X」や「Ryzen9 7950X3D」などの最新CPUが注目を浴びていますが、ミドルクラスでもマルチスレッド性能を重視するユーザーにはRyzen9 5900Xの人気は衰えることを知りません。

本記事では、そんなRyzen9 5900Xのスペックやゲーミング性能、おすすめのPCなどを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

本記事は「コンテンツ制作ポリシー」に則って制作されています。
また、本記事にはプロモーションが含まれます。

Ryzen9 5900Xのスペックと特徴

AMDから発売されている「Ryzen9 5900X」の性能を簡単にまとめてみました。価格は2023年3月現在のものになります。

CPUコア数 スレッド数 基本クロック ブーストクロック TDP 価格
12コア 24スレッド 3.7Ghz 4.8Ghz 105W 約4.5万円

2021年11月にintelから第12世代のCore iシリーズの販売が開始されたことで一気に価格が下がっており、現在では約4.5万で購入可能です。

intelから「Core i7-12700」が登場してからはすっかり遅れをとっている状態ですが、前世代のRyzen シリーズCPUと比較してマルチスレッド性能(動画編集などに重要)が大幅にアップシングルスレッド性能もかなり強化されました。

例として、AfterEffectsとPremiere Proを並行して動画編集をおこなったり、重量級ゲームのプレイと同時に配信したりなども快適におこなえます。

動画編集や配信・画像編集などの重い作業や、VRなどの重い部類のゲームも快適にできる性能を持ち、価格も比較的安いので、コスパのよいおすすめCPUです。

Ryzen9 5900Xのベンチマークスコア


Ryzen9 5900Xのベンチマークスコアを測定してみました。

このようなベンチマークのスコアは、「ひとつの参考」として出た結果なので、この数値のみではCPUの性能は判断できません。理由として「違う種類のソフトを使用すれば結果も違うものになる」からです。

しかし、何かしらの目安がほしいユーザーには性能を「数値」として確認できるものなので、ぜひ参考にしてみてください。

Cinebench R23

Cinebench R23は老舗の3Dグラフィックスソフトである「Cinema 4D」で有名なドイツのMaxon製のCPU専用ベンチマークソフトです。

このソフトを使用してスコアを測定したものが以下になります。


現在ではCore i7-12700よりもベンチマークスコアとしては劣る性能ですが、前世代のRyzen9 3900Xと比較するとマルチスレッド性能が15%アップし、シングルスレッド性能も27%アップ。

intel製第12世代CPUには遅れを取ってしまっていますが、前世代AMD製CPUからは大幅に性能アップしているので、ミドルクラスとしてまだまだ現役で戦えるCPUだといえます。

FireStrike

FireStrikeはDirectX 11がベースになっている定番のベンチマークソフトです。

こちらでは前世代AMD製CPUとCore i9-10900Kを比較対象にしてスコアを測定しました。


前世代Ryzen CPUやCore i9-10900Kと比較してスコアは圧倒的に上昇。

こちらのベンチマークスコアでも、歴代AMD製CPUからの性能アップが数値として表れているので、ミドルクラスとして充分な性能を持つCPUだといえます。

TimeSpy

FireStrikeはDirectX 11がベースであるのに対し、こちらのTimeSpyはDirectX 12がベースになっております。


DirectX 11ほどの差はありませんが4k画質においてはトップのスコアを叩き出しており、フルHDこそCore i9-10900Kに遅れを取っているものの歴代AMD製CPUと比較してかなりのスコア上昇です。

DirectX 12ではマルチ性能を活かせるCPUに優位性があがるので、マルチスレッド性能の高いRyzen9 5900Xは高い画質でのゲーミングに適していると言えます。

BlenderOpenData

こちらのベンチマークソフトは、3Dグラフィックのレンダリング性能を測定して数値化するものです。

ほかのベンチマークソフトとの違いは「数値が小さいほどスコアとして優秀」だというところで、自分のマシンのパフォーマンスを確認したり、ほかのユーザーと比較したりすることもできます。


歴代Ryzen CPUシリーズと比較して、圧倒的に性能が上がっているのがこのグラフからわかります。Core i9-10900Kと比較しても、22%のスコアアップが見られることから3D画像の描画性能が高いCPUだと判断できるので、高画質なグラフィックのタイトルをプレイするのに最適です。

Ryzen9 5900Xのゲーミング性能

Ryzen9 5900Xのゲーミング性能についてまとめてみました。

以下のゲームの平均FPSをフルHDと4Kに分けて測定したものを記載しております。

  • フォートナイト
  • Apex Legends
  • PUBG
  • Overwatch2

フォートナイトやApex Legends・PUBGなどは少し重めのタイトル、Overwatch2は軽い部類のタイトルになります。

タイトル 低設定 高設定
フォートナイト 280 174
Apex Legends 290 250
PUBG 235 194
Overwatch2 600 560

測定した全てのタイトルが170FPSを超えており、フルHD環境では少し重めのタイトルでもカクつきのない滑らかな動きを楽しめます。

次に画質の高い4K環境でも平均フレームレートを測定しました。

タイトル 低設定 高設定
フォートナイト 184 75
Apex Legends 148 72
PUBG 242 111
Overwatch2 330 246

フルHDよりもFPSは落ちますが、測定した全てのタイトルで最低限の60FPSを超えており、快適にプレイできるのがグラフと表から理解できます。

カクつきのない滑らかな画質は、自身のスコアアップや世界観への没入・ライバルに差をつけるための重要な要素なので、ぜひ参考にしてください。

ちなみに、シミュレーションゲームの場合は動画に重きを置いていないので、30FPSでもプレイは可能です。

Ryzen9 5900X搭載のゲーミングPCおすすめ5選

Ryzen9 5900Xを搭載した製品は現在販売されておりません。Ryzen9 5900Xの次世代機・後継機については、以下の記事からご確認ください。

intel製第12世代CPUの登場により性能面で不利になったRyzen9 5900X搭載PCは、Core i7-12700搭載PCよりも価格的にも若干不利になっています。

しかし、歴代Ryzenシリーズと比較して高いゲーミング・グラフィック性能があり、ミドルクラスとしては充分なスペックを持っているので、まだまだ現役マシンとしておすすめできるものです。

ここからは、そんなおすすめゲーミングPCを紹介していきます。

【販売終了】セブン ZEFT R30ZS

グラボにGeForce RTX 3070を採用し、電源に80PLUS Gold認証のCoolerMaster V850 Goldを搭載したゲーミングマシンです。

32GBのメモリにNVMe SSD 1TB+2TB HDDの大容量で、人気タイトルのインストールや重量級タイトルのプレイも快適にできます。

筐体に使用されているCorsair 5000X RGBは4方向強化ガラス製で、本体内部のLEDを楽しみながらゲーミングが可能。最近主流の大型グラボを取り付け可能なスペースもあり、グラボの換装も容易にできます。

CPU冷却には水冷式のCorsair iCUE H115i RGB ELITEが使われ、負荷の小さい時はファンの回転を停止させる機能もあるので、負荷のかからない通常使用時の騒音を抑える効果があります。

メーカー セブン
CPU Ryzen9 5900X
GPU GeForce RTX 3070
メモリ 32GB
ストレージ SSD:1TB / HDD:2TB

【販売終了】セブン ZEFT R46U

MSI製グラボGeForce RTX 4070 Tiを搭載し、最大16倍速記録が可能なブルーレイ・DVDスーパーマルチドライブを採用したハイエンドゲーミングマシンZEFT R46Uです。

32GBメモリにNVMe SSD 1TB+HDD 4TBの大容量は、ゲーミングだけでなくクリエイティブでも威力を発揮し、複数のレイヤーを使用した高画質画像や動画の編集・保存も快適にこなせます。

スタイリッシュな筐体は高級感があり、フロントコンソールには傾斜が施され、ゲーミングに必要な周辺機器も容易に接続できるのでケース背面に手を回す手間がありません。

無線LAN Wi-Fi 6にも対応しているので、本体に必要なケーブルも削減できます。ゲーミングに加えて配信なども高速かつ快適におこなえるので、自身のプレイ動画をリアルタイム配信したいユーザーにもおすすめのマシンです。

メーカー セブン
CPU Ryzen9 5900X
GPU GeForce RTX 4070 Ti
メモリ 32GB
ストレージ SSD:1TB / HDD:4TB

【販売終了】セブン ZEFT RA3F

セブンから発売されているZEFT RA3Fは、Ryzen9 5900XとRTX 3060、16GBメモリを搭載したミドルタイプのゲーミングPCです。

バトロワ系や影の処理に重点が置かれていないゲームであれば、中~高設定で十分なFPSも確保できます。

特筆すべきはコンパクトなケースです。高さ:350mm、幅:205mm、奥行:460mmというコンパクトケースでありながら、冷却性能も十分です。内部配線が綺麗にレイアウトされているのも評価できます。

白を基調にしているケースは珍しいため、PC周辺機器を白で統一したい人におすすめします。

メーカー セブン
CPU Ryzen9 5900X
GPU RTX 3060
メモリ 16GB
ストレージ SSD:1TB

【販売終了】セブン ZEFT R46S

セブンのZEFT R46Sは、Ryzen9 5900XにRTX 4070 Ti、32GBメモリを搭載したゲーミングPCです。

RTX 40シリーズのGPUを搭載していることで、最新のゲーム水準をクリアしつつも高い拡張性を備えています。

GPUの処理性能はRTX 3080 Tiと同程度ですが、DLSS 3が有効な環境では50%以上のフレームレート向上が見込める性能を持っています。また、消費電力が抑えられた設計により、ほかの拡張パーツに電力を割けるのも利点です。

初期から内蔵の光学ドライブを選べるほか、ブルーレイ対応ドライブに変更できるため、充実した拡張性が魅力のゲーミングPCです。

メーカー セブン
CPU Ryzen9 5900X
GPU RTX 4070 Ti
メモリ 32GB
ストレージ SSD:1TB

【販売終了】ark AG-AR12X57AGA8-FT

GeForce RTX 3080のグラボを採用し、内部エアフローを重視したFractal製 Design Torrent TGケースを使用したゲーミングマシンです。

搭載メモリは32GB、OS用のNVMe SSD 1TBに加え2TBのSSDを搭載しており、複数の人気タイトルのインストールや高画質動画の保存も余裕でできます。

耐久性・信頼性の高いASRock製マザーボードX570S PG Riptideの採用で、長時間の高負荷でも安定した性能を維持でき、60Aパワーチョーク採用の10フェーズ電源回路は電圧変動の少ない電力をCPUに供給可能です。

製品の注文時にパーツのカスタマイズが可能なので、上位グラボへの換装や搭載メモリの増設などでマシンをグレードアップできます。

メーカー ark
CPU Ryzen9 5900X
GPU GeForce RTX 3080
メモリ 32GB
ストレージ SSD:1TB/SSD:2TB

Ryzen9 5900X搭載のゲーミングPC|ゲーム以外の快適度を紹介

動画編集や配信などのクリエイティブ活動は、快適にできるかどうかついて解説していきます。

パソコンの操作やゲーミングに慣れてくると、配信して自身のプレイを「見せたい」と考える人は少なくありません。配信により、多くのプレイヤーや視聴者と触れ合うのもゲーミングの楽しみのひとつなので、動画編集などの機能は気になるところです。

ここからは、Ryzen9 5900X搭載PCの動画編集・配信の能力について解説していきます。

動画編集

搭載グラボの性能やメモリ容量で少し変わりますが、基本的に動画編集は快適におこなえます。

動画編集ソフトにもよりますが、近年はソフト側の最適化が進んでおり、CPU自体の個体差もかなり少ないためです。

昔は「動画編集はintel」と言われていましたが、最近はintelでもAMDのどちらでも問題はありません。

また、ミドルクラスに降格したとはいえRyzen9 5900X自体の性能はかなり高いため、4K環境での高画質エフェクトを多用しない限りは快適な編集が可能です。

以下に代表的な動画編集ソフトを使用した編集時間を紹介していきます。

Adobe PremierePro2020

クリエイティブ系ソフトメーカーとして有名なAdobe社の「Adobe PremierePro2020」を使用した動画の編集時間の結果です。

CPU型番 H.264 フルHD H.264 4K H.265 フルHD H.265 4K
Core i9-10900K 11:34 32:11 11:58 28:58
Ryzen5 5600X 12:26 35:51 12:22 30:20
Ryzen7 3700X 12:23 28:50 12:26 30:20
Ryzen9 5900X 6:21 23:49 10:48 28:26

動画の長さは15分で60FPS、フルHD(H.264/h.265)と4K(H.264/h.265)の条件で計測。エンコードは「ソフトウェアエンコード」にて時間を測定したものがこちらの表です。

CPU性能のみでおこなうソフトウェアエンコードでは、Ryzen9 5900Xがダントツで高い処理速度を叩き出す結果に。

編集する動画の内容や長さ・解像度により数値は変化しますが、歴代RyzenシリーズやCore i9-10900Kと比較してかなり性能が高いCPUだと結論できます。

Aviutl

Aviutlは無料の動画編集ソフトで、Adobe Premiere Proに勝るとも劣らない機能を持ち、フリーソフトとしてかなり有名な部類のものです。

こちらのソフトでも、動画編集にかかる時間を計測してみました。測定に使用した動画は60FPS・フルHD24分の動画になります。

CPU型番 H.264 フルHD H.265 フルHD
Core i9-10900K 12:48 20:30
Ryzen5 5600X 13:47 22:59
Ryzen7 3700X 12:08 23:26
Ryzen9 5900X 10:30 17:09

こちらのフリーソフトでもAdobe Premiere Proと同様にRyzen9 5900Xが高い処理速度を出しており、クリエイティブ作業に適したCPUだと言えます。

本格的な動画編集をおこない、YouTubeなどの動画投稿サイトへのアップロードや公開を考えている人にもおすすめです。

配信活動

ゲーム動画の配信も、ほぼ問題ありません。

ゲームの画質設定やフレームレート・搭載グラボのグラフィック性能、メモリ容量に若干左右されますが、基本的なCPU性能が高いため問題なく快適な配信ができます。

BTOで購入したPCであれば、各パーツの相性や性能のバランスを考慮して組まれているので、ゲーム配信でもボトルネック発生の心配はありません。メーカー保証もあるので、万が一のトラブルでも対応してもらえます。

ゲーム配信はCPU性能も重要ですが、メモリ容量も重要なため、ゲーム配信を考えているなら搭載メモリ量を32GB、もしくは64GB以上に増設することも検討してみてください。

まとめ

近年のハイエンドCPUの登場で、Ryzen9 5900Xは既にミドルクラスに降格しています

しかし、基本的な性能が高くマルチスレッド性能を必要とするソフトと相性がよいため、今なお人気が高くゲーミングやクリエイティブ作業におすすめできるCPUです。

現在のハイエンドCPUには劣るものの、Ryzen9 5900Xはゲームや動画編集・配信などにコスパのよいCPUといえます。

コスパのよいミドルクラスPCの購入を検討している場合は、ぜひ検討してみてください。