ゲーミングPCには、さまざまなパーツが使われています。とりわけ重要なのがCPUとGPUです。CPUは特に処理性能を担うので、処理が重くなりがちなゲームには非常に重要。
数あるCPUのなかに、Ryzen 9 3950Xというモデルがあります。2019年に発売された少々古いパーツではあるものの、16コア32スレッドにベースクロック3.5GHzと非常に高スペックです。現行のゲームにも、十分すぎるほど対応可能。
今回は、そんなRyzen 9 3950Xの性能と合わせるのにおすすめのGPUなどについて紹介していきます。
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Ryzen 9 3950Xのベンチマーク性能と評価
Ryzen 9 3950XのFF15でのベンチマークスコアは、最小119.1、平均164.4です。非常に快適にプレイできるレベルだと言えます。
PC版のFF15はグラフィックが美麗なオープンワールドで、非常に負荷が高いゲームです。それでもこれだけのスコアを出せるのは、高性能の証だと言えます。最小スコアが高いので、プレイが安定するのもよいところです。
なお、以下の記事でゲーミングPCのおすすめについて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
同世代のCore i9-9900Kは最小が105.6、平均が167.3。
比較すると、Ryzen 9 3950Xのほうが高いことがわかります。
ただし、Ryzen 9 3900Xのほうがベンチマークスコアは高いです。3900Xは、最小が121.7、平均が169.7となっています。
3900Xは12コア・24スレッドで、3950Xは16コア・32スレッドです。最大動作周波数も若干ではありますが、Ryzen 9 3950Xのほうが高くなっています。
性能自体はRyzen 9 3950Xのほうが高いのに、それより安い3900Xのほうがゲームにおいては有利です。
ただし、マルチスレッド性能は3950Xのほうが高いのでゲームをしながら動画を録画するなどの用途では、3950Xのほうが安定します。
Ryzen 9 3950XはどんなCPU?特徴を解説
Ryzen 9 3950Xのベンチマーク性能について評価してきました。ゲームだけで見ればコスパがそこまでよくないように感じられますが、大切なのは「どのような特徴があり、どのような用途に適しているのか」ということです。そこで今度は、Ryzen 9 3950Xの特徴について紹介していきます。
マルチスレッド性能が高い
Ryzen 9 3950Xは、マルチスレッド性能が高いです。
16コア・32スレッドで、同世代のCPUのなかでは最高クラスの性能を持っています。マルチスレッド性能が高いCPUは、マルチタスクに有利です。たとえばモニターを2つ繋いでおき、片方でゲームをしながら片方で動画を見たり攻略サイトを見たりする場合には、マルチスレッドが高いCPUが適しています。
一方、シングルスレッド性能もRyzen 9のなかでは高い部類です。Ryzenシリーズはもともとシングルスレッドよりマルチスレッド性能を重視する傾向がありますが、3950Xはどちらも高性能。そのうえ高速なので、ゲームも重いAdobeソフトも快適に動かせます。
PCIe4.0に対応
Ryzen 9 3950Xは、第3世代RyzenシリーズのなかではPCIe4.0に対応しているのが特徴的です。
これは当時最新の規格であり、対応するCPUは多くはありませんでした。
PCIe4.0は、従来の2倍の16Gbps転送速度を持っている規格のこと。マザーボードとのデータ転送が高速なので、たとえばPCIe4.0 SSDを搭載したときにソフトウェアの立ち上がりが非常に早くなります。ゲームに関してはロードも爆速になるので、非常に有用です。
PCIe4.0規格のSSDなどと合わせなければあまり意味がありませんが、比較的古いモデルからCPUを選ぶ際には大きな判断基準となります。
現行機種の既製品には搭載されない
Ryzen 9 3950Xは、第3世代のRyzenシリーズです。発売されたのは2019年11月30日と、やや古めのパーツになります。Ryzenも第4世代になり、最新モデルとの間には性能の差が生まれているのが現状です。
ゲーミングPCは常に最新のパーツを搭載するのが主流となっています。BTOメーカーは特に対応が早いです。
そのため、現行機種の既製品には搭載されません。
Ryzen 9 3950Xを搭載しているゲーミングPCを購入したい場合は、中古品から探すか自作するかの二択となります。中古品ならまだ快適に動くものが探せるものの、見つからない場合もあるので確実性はありません。
入手性が低い
Ryzen 9 3950Xは、少々入手性が低いです。
古くなっているため入手性が低くなっているということも、もちろんあります。
ただ、当時から単品入手が困難なパーツでした。Ryzen 9 3950Xには選りすぐりの高品質チップが使われており、大量生産には向きません。そのうえ需要が大きいので、生産が追いつかず入手性が低いパーツとなっていました。
現在もAmazonや各ストアで販売されていますが、在庫が多いとは言えません。もし購入できなかった場合には、ほかのCPUを使うことをおすすめします。
オーバークロックは高いが伸びしろはない
Ryzen 9 3950Xのオーバークロック性能は、最大4.7GHzオーバークロックです。
CPUのオーバークロックは、通常の最高より高い周波数で駆動させることを指します。オーバークロックにより、寿命が短くなることと引き換えに性能をより高めることが可能です。
ただ、Ryzen 9 3950Xは定格クロックが3.5GHzと十分高くなっています。オーバークロックも最大4.7GHzと高いものの、伸びしろがありません。これ以上はどうあがいても伸びず、かえって動作が不安定になります。
オーバークロックに期待している方には、あまりおすすめできません。
配信者・クリエイター向きのCPU
ここまでの内容をまとめると、Ryzen 9 3950Xは配信者やクリエイター向きのCPUだと言えます。
Ryzen 9 3950Xのいいところは、マルチスレッド性能が高いことです。配信や3DCG制作などは非常に高いマルチスレッド性能を必要とします。それだけマルチに処理を行うということですが、Ryzen 9 3950Xは十分快適に対応可能です。
もちろん、動画のエンコードも早くなります。
ゲームだけなら、Core i7やCore i9のほうがおすすめです。同世代のRyzen 9でも、3900Xのほうがゲーム性能だけなら高いので、3950Xをゲーム目的のみで選ぶ意味はあまりありません。
ただ、ゲームだけでなく配信もしたい方や、クリエイターにはおすすめのCPUです。
Ryzen 9 3950XにおすすめのGPU(グラボ)
現在Ryzen 9 3950Xを使うなら自作しかないと解説しました。自作するにあたって重要なのは、GPUとの相性です。CPU性能だけが高くてもGPU性能が低ければ、ゲームにも制作にも使えません。
そこで、Ryzen 9 3950XにおすすめのGPUを簡単に紹介します。
- コスパ重視:GeForce RTX 3060 Ti/3070
- 性能重視:GeForce RTX 3070 Ti/3080
コスパ重視ならば、RTX 3060 TiまたはRTX 3070がおすすめです。RTX 3060 Tiは、ミドルクラスに位置する性能があります。それでもRyzen 9 3950X発売当時のGPUと比べると、高性能です。
たとえば、当時Ryzen 9 3950Xと組み合わせられることが多かったRTX 2080 SUPERとくらべても高性能。
高性能で安いので、コスパがよいです。RTX 3070も値段はRTX 3060 Tiより2万円ほど高くなるものの、現状対応できないゲームがないほど高性能なGPUだと言えます。
そして、性能重視ならRTX 3070 Tiまたは3080がおすすめです。
どちらも性能が非常に高く、ゲームだけでなく配信や動画制作、3DCG制作などにも十分対応可能。ボトルネックが起きないギリギリの性能といったところです。
まとめ
ここまで、Ryzen 9 3950Xの性能や特徴などについて解説してきました。前世代のCPUではあるものの、性能の高さは折り紙付き。最新ゲームにも十分対応できるうえ、配信やクリエイティブな作業もこなします。
ゲームだけのために搭載させるメリットはあまりありませんが、配信者やクリエイターであればおすすめです。
Ryzen 9 3950Xを使ってゲーミングPCを作り、ゲームも配信・作業も快適に楽しみましょう。