ゲーミングPCには、精密機器が多く使われています。さまざまな精密機器が複雑に作動しているため、機械のなかでも寿命が比較的短いです。
ゲーミングPCは寿命が近くなると、さまざまな不具合が発生することがあります。その予兆にも気づかずに使い続けると、ある日突然壊れてしまって正常に動作しなくなることがあるので注意が必要です。
ゲーミングPCの買い替え時には、データ移行などの作業があります。故障してしまってはデータ移行もままなりません。寿命をあらかじめ知っておくことが大切です。
そこで本記事では、ゲーミングPCの価格帯ごとの寿命の目安と、各パーツの寿命について解説。寿命が近づくと発生しがちな不具合の例や、寿命を延ばす方法なども紹介していきます。
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ゲーミングPCの寿命を価格帯別に解説
ゲーミングPCの寿命は、搭載されているパーツの構成や全体の性能などによって変わります。そこでまずは、価格帯ごとのゲーミングPCの寿命について解説していくので、ぜひご参考ください。
【エントリークラス】ゲーミングPCの寿命
10万円から18万円程度のエントリークラスのゲーミングPCの寿命は、平均3年程度です。
エントリークラスのゲーミングPCには、安価なパーツが使われています。たとえば、メモリやストレージなどが同じ種類と容量だとしても、安価なパーツでは耐久性が低めです。高価で信頼性の高いパーツを使っているハイエンドPCと比べると、どうしても寿命が短くなります。
ただし、使い方次第で寿命が変わりやすいのがエントリークラスの特徴です。
たとえば、コスパがいいからと簡単な作業目的で購入し、ゲームはたまにしかしない場合には3年より長く持つことがあります。
逆にゲーム目的で購入し、長時間のゲームプレイを毎日続ければ3年より短くなることもあるので注意しましょう。
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【ミドルクラス】ゲーミングPCの寿命
20万円から26万円程度のミドルクラスのゲーミングPCの寿命は、3年から4年程度です。
エントリークラスのゲーミングPCと、寿命という面では大きな違いはありません。
ミドルクラスゲーミングPCの多くは、コスパを高める工夫がされています。Core i7-14700FやRTX 4060以上のGPUなどを搭載してゲーム・作業向けのスペックを高めつつも、なるべく価格を安く抑えているモデルが豊富です。
そのためか、パーツの信頼性などに関してはエントリークラスとそれほど変わりません。
【ハイエンドクラス】ゲーミングPCの寿命
30万円以上のハイエンドクラスのゲーミングPCの寿命は、平均5年程度です。
性能に対する一般的な使い方の場合には、短くても4年だと言われています。
30万円以上のゲーミングPCともなると、各パーツの信頼性やバランスにもこだわってつくられているのが一般的です。
たとえば、ファンの力のみに頼る一般的な空冷式クーラーではなく、冷却液とファンの両方を使った高冷却性能を持つ水冷式クーラーを多くのモデルが搭載しています。CPUなどに熱がこもりにくくなり、各パーツへの負担が軽減されるため寿命が延びやすいのが特徴です。
さらに、電源ユニットについても搭載されている各パーツの総消費電力より、一回り以上大きな容量のパーツが搭載されることがほとんど。それにより、シャットダウンや再起動などの不具合が発生しにくくなっています。
こうしたさまざまな要因から、ハイエンドクラスのゲーミングPCの寿命は、ほかの価格帯と比べると長めです。
>>ハイエンドクラスのゲーミングPCについて知りたい方はコチラ
【ノートPC】ゲーミングPCの寿命
ゲーミングノートPCの寿命は、平均で2年ほどです。長くても3年程度だと言われています。
ゲーミングノートPCは、熱が逃げにくい構造です。デスクトップPCに比べてケース内の余白が少なく、風の通り道も少なくなります。そのうえ、デスク上に置いて使用する際に、底面から排気するのが困難です。また、コンパクトであるがゆえに、冷却性能が高い大きなファンも搭載できません。
そのため、パーツに負担がかかりやすく、寿命が短めです。
ゲーミングノートPCの寿命を延ばすには、冷却台を使用するなど冷却性能を補う工夫が必要になります。
ゲーミングPCパーツの寿命を解説
ゲーミングPCの寿命を解説してきましたが、ゲーミングPCに搭載されている各パーツにもそれぞれ寿命があります。そこで今度は、ゲーミングPCパーツの寿命について、それぞれ簡単に解説していくので、ぜひご参考ください。
CPUの寿命はないに等しい
CPUは、コンピューターの演算処理を担当するパーツです。簡単に言えば、パソコンを動作させるためのさまざまなデータの処理を行っています。GPUなど各パーツの制御もしており、CPUがないとゲーミングPCは動きません。
そんなCPUは、基本的に寿命がないに等しいパーツです。厳密にはありますが、50年以上だと言われています。壊れるより前に性能的に通用しなくなるため、実際に使用する際に寿命を気にすることがありません。
ただ、それはあくまでも通常使用時の場合です。物理的な衝撃を与えたり水没させたりすれば、壊れます。
GPUの寿命は4~5年
GPUは、グラフィック処理を担当するパーツです。3Dゲームの映像はもちろん、ゲーミングPCの画面の処理もしています。GPUまたはそれに相当する機能が搭載されていないPCでは、モニターと接続しても映像が表示されません。
そんなGPUの寿命は、4年から5年程度です。
これは、故障しやすくなる年数でも、最新ゲームの要求スペックに追いつかなくなる年数でもあります。故障をしなくても、4年から5年経てば買い替えが必要なものだということです。
また、GPUの故障の原因の多くはコンデンサの劣化だと言われています。コンデンサというのは、直流信号を遮断して交流信号を通す電子部品のことです。簡単に言えば、流れてきた電気をGPUを動作させるために最適な形に変換するためのものということになります。
コンデンサは熱に著しく弱いです。GPUをしっかりと冷やせる環境をつくることが、大切だと言えます。
メモリの寿命は10年または半永久的
メモリは、PCが処理するさまざまなデータの一時保管庫です。容量が大きいほうが、処理効率が高くなります。そもそもある程度の容量がないとできない処理もあるので、大きければ大きいほどいいとされているパーツです。
そんなメモリの実際の寿命は、10年程度だと言われています。
ただ、理論上は半永久的に使えるパーツです。メモリは、10の15乗回のデータの書き込みができます。1秒間に100回書き込んだとしても、30万年使える計算です。
そのため、理論上は半永久的に使えます。
しかし、実際には使用中に負荷がかかるため、10年程度で壊れることが多いです。
それでも、ゲーミングPCのさまざまなパーツのなかでは長寿命だと言えます。
ストレージの寿命は3~5年
ストレージは、ゲーミングPCにインストールしたデータを保管しておくための場所です。大きければ大きいほど、より多くのデータをインストールできます。近年のゲームは容量が大きい作品が多いため、ゲーミングPCでは1TB以上は最低でも欲しいところです。
ストレージにはSSDとHDDがあります。
まず、SSDはHDDより高価ですが、データの読み書きの速度が速いのが特徴です。
ゲームのロードや各ソフトウェアの立ち上げ、アップロードやインストールなどが速くなります。もっとも、アップロードとインストールはネットの通信回線速度も関わるので、SSDにしたからと言って大幅に向上することは少ないです。
そんなSSDの寿命は、5年程度だと言われています。長ければ10年以上使えることもあり、寿命の幅が広いです。
続いて、HDDはSSDより安価ですが、データの読み書き速度が遅いというデメリットがあります。そのうえ、SSDより耐衝撃性が低いです。
そんなHDDの寿命は、平均で3年程度だと言われています。長くても、5年程度です。
電源ユニットの寿命は2~5年
電源ユニットは、ゲーミングPCに搭載されている各パーツに電力を供給するためのパーツです。これがなければ、パーツに電力が通わず、PCは動きません。
そんな電源ユニットの寿命の目安は、2年から5年程度です。
電源ユニットにもさまざまなグレードがあり、グレードが高い製品の場合は寿命が長くなる傾向があります。そのうえ、10年の保証がつくことも近年は多いです。
そのため、電源ユニットの寿命を特別意識することは基本的にありません。
ただ、搭載させるパーツの消費電力量に比べて電源ユニットの容量が小さいと、電源ユニットに負荷がかかります。そのうえ、各パーツに適切に電力が供給されずパフォーマンスが落ちるので注意が必要です。
CPUクーラーの寿命は3~7年
CPUクーラーは、名前の通りCPUを冷やすためのパーツです。
空冷式と、水冷式の大きく分けて2種類があります。
空冷式は、冷却ファンの回転による送風で冷却する仕組みです。冷却ファンの回転力に頼るため、発熱が激しくなると回転力が大きくなりうるさくなります。そのうえ、水冷式と比べると冷却性能が低いパーツが多いです。
もちろん、空冷式にも水冷式と同等以上の冷却性能を持つパーツがあります。そのようなパーツを使えば、空冷式でも高冷却性能を持つゲーミングPCをつくることが可能です。
そんな空冷式CPUクーラーの寿命は、7年程度だと言われています。
一方水冷式は、冷却液が循環しながらパーツから熱を奪う仕組みです。熱を持った冷却液がラジエーターという金属部品に熱を預け、また循環します。熱を預けられたラジエーターは、ファンによる送風で冷やす仕組みです。
この冷却液とファンの両方で冷やすという性質上、音が比較的小さく、冷却性能も高いのが特徴。
そんな水冷式CPUクーラーの寿命は、平均3年程度です。
メーカーの保証期間は、2年から3年が多い傾向があります。
また、水冷式は空冷式よりもメンテナンスが大変で面倒になり、実際の寿命より短い期間で壊してしまう人も少なくありません。水冷式を搭載させたい場合には、空冷式以上にメンテナンスに気を配る必要があります。
マザーボードの寿命は10年以上
マザーボードは、PCのメイン基板です。ここに、これまで紹介してきた各パーツを取り付けます。
マザーボードの寿命は、長くて10年以上です。
ただ、使用環境や使用時間などによって著しく変動します。
たとえば毎日長時間酷使する場合には、3年から4年で壊れることが多いです。マザーボードの故障の主な原因は、コンデンサの故障になります。消費電力が大きい環境や高い負荷がかかる環境では、コンデンサの寿命が短くなるためマザーボードも早く壊れるということです。
ゲーミングPCの寿命を示す症状を解説
ゲーミングPCと各パーツの寿命について、解説してきました。これまで解説してきた通り、ゲーミングPCの寿命は使用環境や使用方法などによって変わります。そのため、年数を知ることも大切ですが、それ以上にゲーミングPCの寿命が近いことを示す症状を知ることが大切です。
症状を知らなければ、買い替えの準備がままならないまま突然壊れてしまうことがあります。これから解説する症状を知り、自己診断しましょう。
本体から異音がする
本体から異音がするようになった場合、ゲーミングPCの故障または寿命の可能性が高いです。
HDDやファンが故障したりパフォーマンスが低下したりすると、異音がするようになります。うまく動作させられない状況で、無理に動かすため普段とは異なる音がするということです。
音は、カリカリという乾いた音が鳴ります。この場合には、HDDおよびファンの故障や寿命を疑いましょう。
ただ、ファンの場合はホコリが積もった場合にも同じ異音がするようになります。単にホコリや汚れが積もっているだけであれば、掃除すれば改善することが多いです。
そのため、異音がする場合は寿命だと断定する前に、一度PCケースを開いて内部をチェックし、汚れていれば掃除しましょう。
フリーズするようになる
ゲーミングPCの寿命が近くなると、頻繁にフリーズするようになります。こうなれば、いつ完全に故障してもおかしくない状況です。
フリーズの原因は、主に「熱暴走」「メモリ不足」「メインストレージの故障」が挙げられます。
ファンの寿命が近づくと、ファンのパフォーマンスが低下し、熱暴走を起こしやすくなるので注意が必要です。ファンの寿命が遠くても、各パーツの寿命が近くなれば、これまでと同じ使い方をした場合により激しく発熱するようになります。これも、熱暴走の原因になるので覚えておきましょう。
さらに、メモリに関して。メモリに負荷がかかり壊れかけている場合、パフォーマンスが低下し、容量が不足していなくても処理に時間がかかりすぎてフリーズすることがあります。
そして、メインストレージの故障に関して。OSなど、ゲーミングPCを使ううえで必須のソフトが最初から入れられているストレージをメインストレージと呼びます。
このメインストレージが壊れていると、それらのソフトウェアの読み書きに問題が発生し、フリーズするようになるということです。
勝手に再起動される
ゲーミングPCの寿命や故障の予兆として、勝手に再起動されるということがよく挙げられます。
自動で再起動を行うのは、PCの動作がままならないということです。このまま起動させっぱなしではうまく動作しないため、システムが勝手に再起動を行います。そのため、ゲーミングPCの寿命が近づいてパフォーマンスが低下した場合に、勝手に再起動されるという症状が発生することが多いです。
ただ、システムが破損してしまっている場合も、勝手に再起動されるようになります。そのうえ、何度も再起動を繰り返すことが多いです。
システムが破損して、起動が途中で停止してしまうことにより再起動が繰り返されます。この場合は2度起動に失敗すれば、3回目で自動修復が行われる機能がWindowsにはあるため、自動で解決することも多いです。
また、内部の電子部品の劣化により勝手に再起動されることもあります。この場合、どの部品が原因なのかを特定するのは困難です。
特定ができなければ、パーツ交換で対応することも難しくなります。そのため、システムの破損以外の理由で再起動を繰り返してしまう場合には、ゲーミングPCの買い替えを検討しましょう。
発熱が激しくなる
ゲーミングPCの寿命が近くなると、発熱が激しくなることがあります。
これは、各パーツのパフォーマンスが低下して、これまでの使い方に耐えきれなくなっているためです。CPUやGPUは特に、パフォーマンスが足りなくなると発熱が激しくなります。そうして熱暴走を起こすと、フリーズや自動再起動などほかの問題も発生するので厄介です。
さらに、冷却ファンの寿命が近い場合にも発熱が激しくなります。これは、各パーツの熱を十分に冷やせなくなるためです。
いずれにしても、これまでより熱を持ちやすくなった場合には、ゲーミングPCの寿命が近づいていると思っておきましょう。
画面にノイズが出る
ゲーミングPCの寿命が近づくと、画面にノイズが出ることがあります。
この場合、GPUが故障する前兆の可能性が高いです。GPUは画面の処理を行うパーツなので、GPUの寿命が近くなりパフォーマンスが低下すれば、画面の処理に不具合が発生します。
この画面処理の不具合が、ノイズという形で表出するということです。
ほかにも、3Dグラフィックが正常に描かれなくなったり、画面の色がおかしくなったりすることがあります。いずれにしても、画面表示に何らかの不具合が発生した場合は、GPUに原因があるケースが多いです。
ゲーミングPCの寿命を延ばす方法
ここまで、ゲーミングPCの寿命は何年か、寿命が近いとどういう症状が発生するのかについて解説してきました。ゲーミングPCの寿命は、使い方次第で縮まることがあります。逆に言えば、使い方次第で平均よりも寿命を延ばすことも可能ということです。
そこで今度は、ゲーミングPCの寿命を延ばす方法について解説していきます。
電源をつけっぱなしにしない
電源をつけっぱなしにすると、ゲーミングPCの寿命が縮まります。
電源が常についていると、パーツが常に動作し続けることになるのが寿命が縮まる理由です。通電時間が長くなることで、パーツの消耗が激しくなります。電源ユニットだけでなく、そこから電源を供給される全パーツの寿命が縮まるので、注意が必要です。
つけたままにしたほうが便利なこともありますが、少しでも長く使いたいなら、寝るときなど長時間使わないときは電源をオフにしましょう。
定期的に掃除をする
定期的に掃除することで、ゲーミングPCの寿命を延ばすことができます。
掃除などのメンテナンスを怠れば、動作が不安定になり故障リスクが高くなるため注意しましょう。たとえばファンにホコリが多く付着したままだと、ファンの回転が鈍くなるというようなことです。冷却性能が下がり、各パーツの熱が十分に冷えず寿命が縮まります。
掃除は、以下のような流れで行います。
- 電源コードを含む全てのケーブルやドングルを抜く
- PCケースを開ける
- ブロワーなどでホコリを飛ばして落とす
- 落ちたホコリを拾う
- 飛ばせなかったホコリを帯電防止ブラシなどで除去する
なお、内部を掃除する際には静電気が発生しないように注意しましょう。静電気が発生すると、パーツが故障することがあります。
多湿の環境を避ける
ゲーミングPCの寿命を延ばしたい場合、高温多湿の環境を避けましょう。
PCパーツは、熱と湿気に弱いです。
湿度が高くなりがちな冬には乾燥機などで管理し、室温が上がりがちな夏にはクーラーなどで管理しましょう。冬場の暖房に関しては、常識の範囲内であればそれほど気にする必要はありません。
もちろん、室温が高くなりすぎないほうがPCにはやさしいです。より寿命を延ばしたい場合には、冬場の暖房の温度にも気を配りましょう。
近くで喫煙しない
ゲーミングPCの寿命を延ばしたい場合、近くで喫煙しないようにしましょう。
タバコの煙には、ヤニが含まれています。ヤニはベタつきがあり、ヤニがPCの内部に付着しすぎるとホコリがつきやすくなり、PCの寿命が縮むというメカニズムです。ホコリが付着しすぎると、空気の流れが阻害され、熱がこもります。
もちろん、ホコリが付きやすくなるだけなので、定期的に掃除していればそれほど大きな問題ではありません。
とはいえ、近くで喫煙しないに越したことはないので、寿命を延ばすことを考えるのなら喫煙所とPCを使う場所は分けるべきです。どうしても近くで吸いたい場合には、窓を開けて換気し、煙を窓の方に向かって吐くようにしましょう。
スペックに見合った使い方をする
スペックに見合った使い方をしなければ、ゲーミングPCの寿命を縮めます。これは、各パーツに高い負荷がかかってしまうためです。
たとえば、CPUの性能がそれほど高くないPCで動画編集をしたり配信をしたりすると、負荷がかかり熱暴走を起こしやすくなります。メモリなど、ほかのパーツに関しても同様です。
ゲームにおいても、スペックに見合わないグラフィック設定にしていると、GPUに負荷がかかり、寿命を縮めます。
使用中のゲーミングPCのスペックと、それに合う使い方を調べ、スペックをオーバーした使い方をしないように気をつけましょう。
床に直置きしないようにする
ゲーミングPCを床に直置きすると、ホコリを吸い上げやすくなってしまいます。
さまざまな場所に付着しているホコリが行き着く先が、床です。床は想像以上にホコリが多く、歩いたり動いたりすると床からホコリが舞い上がります。毎日掃除しても、ある程度は避けられないことです。
この舞い上がったホコリや床に付着しているホコリをPCが吸い上げてしまうため、床に直置きすると内部にホコリが蓄積しやすくなります。
なお、底面吸気口を備えるタイプのPCケースを使っている場合は特に、床に置くと吸気がうまくいかなくなるうえにホコリを吸い上げやすくなるので注意が必要です。吸気がうまくいかなくなり冷却性能が下がるうえに、汚れやすくなるのでよいことがありません。
床から数cm高い位置に置くだけでも、ホコリを吸い上げにくくなります。PCラックなどを利用して、床から離して設置するようにしましょう。
物理的衝撃を与えないようにする
ゲーミングPCに限らず、精密機器は物理的衝撃に弱いです。
PCケースに内部基盤やパーツが守られているとはいえ、衝撃を与えすぎると壊れてしまいます。すぐには壊れなくとも、寿命が縮まることがあるので注意が必要です。
デスクの上などから落としてしまうのはもちろんご法度ですが、揺れにも注意してください。PCが揺れることで、各パーツに少なからず衝撃が加わってしまいます。
PCを置いているラックなどは、手や足が当たりにくいように設置しましょう。
ゲーミングPCの寿命に関するよくある質問
ここまで、ゲーミングPCの寿命についてさまざまなことを解説してきました。最後に、そんなゲーミングPCの寿命に関するよくある質問の答えについて紹介するので、わからないことがある方はぜひご参考ください。
画面に市松模様が出るのはGPUの寿命?
画面に白黒の市松模様が出るのは、ブラウザの不具合です。
これは、Google ChromeやMicrosoft Edgeなど、Chromium系のブラウザに共通するバグ。Chromiumというのは、フリーのオープンソースのブラウザ向けのコードのことです。
ChromeとEdgeはこれを使って開発されているため、UIが似ています。拡張機能も同じものが使えるので、こうしたオープンソースのブラウザは便利です。
ただ、ベースが同じなのでどちらにも同じようなバグが発生します。
これは、GeForce環境で発生するバグです。
対策としては、以下の方法が挙げられます。
- ChromeやEdgeのプロパティを開く
- ショートカットタブを開く
- リンク先に「 –disable_direct_composition_video_overlays=1」を追加する
これで、市松模様が表示されなくなります。
ただ、この方法を使うとRTX VSRが機能しなくなるので注意しましょう。
RTX VSRは、AI処理を使って動画の品質を向上させる機能のことです。動画の元の品質が1080pの場合でも、より高解像度のように見せかけられるのが魅力。
この機能を使わない場合には、リンク先を追加する対策方法が使えます。
シャットダウンしたのに再起動されるのは故障が原因?
シャットダウン時に勝手に再起動してしまう場合、故障の可能性があります。
ゲーミングPCの寿命が近くなると、このような不具合が起きがちです。
ただ、原因はゲーミングPCの故障だけではありません。
たとえば、システムによる不具合で発生することもあります。この場合には、PCを出荷状態に戻すと改善するケースがあるので、まずはクラウドなどに重要なデータを移行させたうえで、PCを出荷状態に戻してみましょう。
それで改善しない場合は、故障の可能性が高いので、メーカーサポートに連絡するのがおすすめです。
ゲーミングPCの水没対策は?
ゲーミングPCに水分をこぼした場合、まずは電源ケーブルを含む全ての接続を外してください。
通電していると、ショートする危険性があります。
そのうえで、まずはケースなど手に触れる部分を乾拭きするなどして、乾燥させましょう。ノートPCの場合、キーボード部分を下にして水分を落とし、乾拭きし、ダストブロワーなどで水分を飛ばします。
なお、PCは熱に弱いためドライヤーやお風呂場の乾燥機能などは使わないようにしてください。余計に壊れてしまうリスクが増えます。
乾燥させた後、一度電源を入れてみましょう。正常に動作するなら、問題はありません。
ただ、時間差で壊れるケースもあるため、油断はしないようにしましょう。一番いいのは、デスクトップの場合でもノートPCの場合でも、メーカーサポートに相談することです。修理など、素早い対応が得られます。
ゲーミングPCは簡易水冷のほうが寿命が長い?
簡易水冷のほうが、クーラー自体の寿命は短いです。
水冷式は空冷式と比べて、複雑なつくりになっています。冷却ユニット、ラジエーター、ホースなど部品点数も空冷式より多くなります。特にホースは劣化しやすいです。このような理由から、空冷式よりも寿命は短くなります。
そのうえ、劣化や故障により水漏れのリスクがあるのがネックです。水漏れをすると、ほかの部品も故障する可能性が高くなります。
総合的に考えても、簡易水冷のほうがゲーミングPCの寿命は短くなりがち。
静音性やデザインなどのメリットがありますが、寿命のことだけを考えるのであれば、空冷式クーラーの高性能モデルを搭載させるほうがおすすめです。
ゲーミングPCの寿命を確認するには?
ゲーミングPCの寿命を確認するには、症状例をもとに自己診断するしかありません。
ゲーミングPCの寿命は、使用環境や使用方法などによって変わります。酷使すれば短くなるし、たまにしか使わない場合には長くなるものです。メンテナンスをしっかりしているかなども、寿命に関わります。
そのため、寿命の目安から逆算して寿命を判断するのは難しいです。
結局のところ、自己判断するしかありません。先述したゲーミングPCの寿命を示す症状を参考にしながら、使用中のPCの動作をチェックしましょう。
ゲーミングPCの寿命を延ばすならマイニングはしないほうがいい?
ゲーミングPCの寿命を延ばすことを考えるなら、マイニングはしないほうがよいです。
マイニングをすると、ゲーミングPCに非常に高い負荷をかけてしまいます。大量のデータの読み書きを長時間行い続けるため、CPU・メモリ・ストレージ・電源ユニットなどの負荷が非常に高いです。
そのため、ゲーミングPCの寿命が縮まります。
マイニングがしたい場合には、平均よりも寿命が縮まることを覚悟しておきましょう。
まとめ
本記事では、ゲーミングPCの寿命について解説してきました。
今回紹介したゲーミングPCの寿命の年数は、あくまでも目安です。
ゲーミングPCの寿命は、使用環境などによって年単位で変わります。自身の使っているゲーミングPCが寿命が近いかどうかは、不具合などの症状などから判断するしかありません。少しでも症状が出ている場合は、買い替えを検討し始めましょう。