RTX 2080Tiは、2018年9月に登場したハイエンドクラスのGPUです。当時としては最高性能クラスのGPUで、長らく最高峰だったGTX 1080 Tiから大幅に性能がアップしたGPUとして注目を浴びました。
現在は前世代のモデルですが、現役として十分活躍可能です。
今回は、RTX 2080 Ti搭載ゲーミングPCの性能と特徴・現行モデルとの比較について紹介します。
なお、以下の記事でゲーミングPCのおすすめについて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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RTX 2080 Tiの性能比較・評価
コードネーム | Turing |
---|---|
プロセス | 12mm |
GPU | TU102 |
トランジスタ数 | 186億 |
GPU数 | 6基 |
SM数 | 68基 |
CUDAコア数 | 4852 |
RTコア数 | 68基 |
ベースクロック | 1350MHz |
ブーストクロック | 1545MHz |
メモリバス帯域幅 | 616GB/s |
GPUメモリ | 11GB GDDR6 |
TDP | 250W |
前世代の最上位モデルGTX 1080 Tiと比較すると、プロセスが16nmから12nmになり微細になりました。トランジスタ数も118億から186億と約60%増で、上がり幅が非常に大きいです。
全体的に性能が数十パーセントは向上しており、非常に高性能。メモリの容量も大きめで、消費電力は250Wと常識的な範疇なのが特徴的です。
当時のハイスペックモデルなので、フルHD200fps以上、4K解像度への適応も可能な性能があります。WQHDでも高フレームレートを保てるので、WQHD環境での利用をメインに考えているならば非常におすすめです。
フルHD最高設定のApexで平均240dpsが狙えます。最高スペックのゲーミングモニターと合わせるのも、おすすめです。
総じて、2023年現在でもハイスペックモデルとして使える性能となっています。
RTX 2080 TiはどんなCPU? 特徴を解説
RTX 2080 Tiの性能と評価について、簡単に解説しました。2023年現在でもハイスペックなゲーミングPCを組むのに適しています。
非常に高評価です。ただ、ほかにも特徴があるので、今度はRTX 2080 Tiの特徴について簡単に解説していきます。
4K解像度で快適なゲームプレイが可能
RTX 2080 Tiは、グラフィックが重いゲームでも4K解像度で平均60fpsを維持できます。たとえばFFXVでのベンチマークは、4K高品質で平均64.7fpsです。
FFXVは特にグラフィックが重いゲームとして有名。ほかのゲームなら100fpsも狙えます。4K解像度での運用も十分可能な範囲です。
そのため、4K解像度での運用を考えている方にもおすすめのGPUとなっています。
レイトレーシングとDLSSも快適に使える性能
RTX 2080 Tiには、リリース当時最新技術だったリアルタイムレイトレーシングとDLSSが搭載されています。
レイトレーシングは、映像の光源から出ている光量や方向を計算して、光の屈折・反射などを現実に近い形で表現する技術です。この処理をリアルタイムで行うのが、リアルタイムレイトレーシングとなります。
DLSSは映像の荒いシーンも綺麗にする技術です。
レイトレーシングやDLSSは、圧倒的なグラフィックでゲームを楽しめる機能です。リアルタイムに映像を加工するため、GPUに非常に重い負荷がかかりRTX 2080 Tiにおいてもあまり使用される機能ではありませんでした。
レイトレーシングやDLSSは、RTX 30シリーズになり実用的な機能として使用されています。4K環境や高グラフィックでのプレイを楽しみたい人は、現行モデルのRTX 3070以上がおすすめです。
安定したストリーミング性能がある
RTX 2080 Tiは、ストリーミング性能が高いです。もちろん組み合わせるCPUにもよりますが、GPUとしては実況配信などに向いている部類となります。高解像度で高フレームレートに対応でき、メモリの容量も大きく高速。
安定したストリーミングが可能です。
オーバークロック耐性が高い
RTX 2080 Tiはベースクロックとブーストクロックとの差が、約200MHzあります。幅が広く、オーバークロックの恩恵を受けやすいです。
オーバークロックというのは、パーツの性能を限界まで引き出す機能を指します。通常、CPUとGPUで使われる手法です。定格以上のクロック周波数で動作させ、スペックが向上します。
RTX 2080 Tiは定格でも十分すぎるほど高性能なうえに、オーバークロックさせたときの伸びが大きいです。そのうえしっかり耐えてくれるので、使いやすくなっています。
中古ゲーミングPCの数が比較的豊富
RTX 2080 Ti搭載ゲーミングPCは、2023年時点では新品販売がありません。BTOメーカーを含め、PCメーカーは常に新しいパーツに入れ替えるので前世代のパーツは使わないのが基本です。
搭載ゲーミングPCも中古で探すしかありませんが、RTX20シリーズのなかでは、比較的豊富な出品がされています。
パーツは高い需要もあり、一部での取り扱いに留まっていますが、ヤフオクやメルカリでは、多数出品。
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでも、数は少ないものの出品しています。
現行モデルとの比較は必要
RTX 2080 Tiは、さまざまなタイトルをストレスなくプレイできる性能を持ったGPUです。
ハイエンドモデルとしてリリースされたGPUだけにRTX 30シリーズが主流になった現在でも、性能不足を感じる場面はあまりありません。
リリースから4年以上が経過しましたが、4K環境でも活躍するゲーミング性能は十分なパフォーマンスを発揮しています。
ただし、これから新しいGPUの購入を検討している方は、RTX 30シリーズやRTX 40シリーズといった現行モデルとの比較が必要です。
将来性を考慮すれば、現行モデルの方が長く活躍。新機能やより美しいグラフィックでのプレイを楽しめます。
RTX 2080 TiとRTX 3070の性能差はどれくらい?
RTX 2080 Tiとよく比べられる現行モデルは、RTX 3070です。
RTX 3070は、フルHDでは当たり前に144fpsは出る高性能GPU。設定やゲームによっては200fpsも可能です。
ただ、240fps張り付きで遊ぶには少々厳しめといったところ。設定を落とせば可能といった範囲です。
発売当初はRTX 2080 Tiと同性能と注目を浴びましたが、実際には「ほんの少しだけゲーム性能がRTX 2080 Tiのほうが高い」という程度になります。
RTX 3070発売当時の値段は、RTX 2080 Tiの新品価格の半額です。
ただ、RTX 2080 Tiは中古で安く購入できる点を考えると「安くて高性能を狙いたい方」にとってはRTX 2080 Tiのほうがコスパがいいと言えます。
RTX 2080 TiとRTX 4070 Tiの性能差はどれくらい?
RTX 4070 Tiは、RTXシリーズにおける3番目のGPUです。
GTX 1080TiやRTX 2080Tiからのアップグレード先としてリリースされた、コスパに優れた最新モデル。ただし、価格設定はRTX20シリーズと比較すると非常に高価です。
RTX 4070 Tiは、4K環境で高いパフォーマンスを発揮します。DLSS3の新機能により高リフレッシュレートでのプレイも可能です。
RTX 2080 Tiの2世代後継モデルだけあり、30%~35%程度と大きな性能差があります。
WQHD環境でも多くのタイトルで144fps張り付きが期待できるのもRTX 4070 Tiの特徴。4K環境でも100fps前後で安定してプレイできます。
高グラフィックが求められるタイトルを、100fps前後でプレイできる点は大きな魅力です。
高リフレッシュレートにも対応しているので、フルHD環境では240fps以上を安定して出力します。
価格面の問題はありますが、搭載モデルが徐々に増加傾向にあるため、価格が落ち着いてきた際にはさらに魅力あるアップグレード先です。
RTX 2080 TiにおすすめのCPU
RTX 2080 Ti発売当時は、第9世代Core i9と組み合わせられる傾向にありました。
当時としては最高性能なので、Core i7やCore i5とは合わせにくかったのが理由です。
現在はCPUの性能が全体的に大幅に向上しているため、現行パーツも含めるなら選択肢は豊富にあります。
おすすめは、第13世代Core i5-13400または、第12世代Core i5-12400です。
ミドルクラスのゲーミングPCに多く採用されているCore i5シリーズは、第12世代以降、非常に性能が向上しました。RTX 2080 Tiのゲーミング性能を活かすためにも、これらのモデルと組み合わせましょう。
より性能を向上させたい方は、Core i7-13700もおすすめです。
RTX 2080 Tiの中古相場とお得に購入する方法
RTX 2080 Tiの性能と特徴について、紹介してきました。
RTX 3070と同等どころかゲーム性能がほんの少し高いパーツが中古で手に入るので、RTX 2080 Tiは非常にお得です。相場よりも安く購入できればより高コスパ。
そこで今度は、RTX 2080 Tiの中古相場とよりお得に購入する方法について簡単に解説します。
GPU本体は中古市場にあまり流通していない
残念ながら、RTX 2080 Ti本体は中古市場でもあまり流通していません。
2022年に起きた半導体不足の影響で、中古モデルへの需要が高まったためです。
人気モデルであったRTX 2080 Tiは中古市場から姿を消してしまい、新品もプレミア価格で販売されています。
搭載モデルのゲーミングPCは、さまざまなモデルが中古市場で販売されているため、ゲーミングPCの買い替えを検討されている方はRTX 2080 Tiを選択可能です。
RTX 2080 Tiは安価に中古市場で入手できれば、非常にコスパに優れたモデルです。ただし、現在は中古品であっても6万~8万以上の高値で取引されています。
現行モデルとの価格差も考慮しながら、GPUを選びましょう。
BTOメーカーの中古販売をチェック
RTX 2080 Ti搭載ゲーミングPCやパーツをよりお得に購入したいなら、BTOメーカーの中古販売をチェックするのがおすすめです。各メーカーの型落ちモデルが販売される場合もあるので、BTOメーカーの製品が欲しい場合は要チェック。
ほかにもさまざまなPCが中古販売されるので、一度は覗いておきましょう。
フリマアプリをチェック
RTX 2080 Ti搭載ゲーミングPCをより安く購入するなら、フリマアプリもおすすめです。
メルカリはPCではなくパーツ販売が主流ですが、探せばRTX 2080 Ti搭載ゲーミングPCも見つかります。メルカリは自作趣味の人が作って使わずに売る場合があり、使い込まれていないゲーミングPCが安い値段で買えるのでお得度が高いです。
自作代行のような感覚でも使えます。
オークションサイトをチェック
RTX 2080 Ti搭載ゲーミングPCをお得に購入できる場は、オークションサイトがメインになります。
15万円前後の落札が多いですが、10万円以下で落札される場合も多いです。そのうえ、パーツ単体の出品よりもRTX 2080 Ti搭載ゲーミングPCの出品がフリマアプリより多いので、探しやすいのも魅力的。
現在RTX 2080 Ti搭載ゲーミングPCを購入するならば、オークションサイトをチェックしましょう。
購入タイミングは今がベター
RTX 2080 Tiの中古価格が、今後大きく下がるとは言えません。
また、リリースから時間がたつほど、前モデルは活躍できるタイトルが少なくなってしまいます。
現在では、人気タイトルはもちろん、最新タイトルもストレスなくプレイが可能です。
RTX 2080 Tiは、現行のミドルクラスのGPUであるRTX 3070の代替品として非常に優秀。とはいえ、すでにRTX40シリーズが登場しています。
RTX 2080 Tiは中古市場での数が少ない点からも、購入を考えている方は中古販売を随時チェックして、気になるものがあればすぐ購入しましょう。
RTX 2080 Tiと現行モデルとどちらを選ぶべきか
ここまで、RTX 2080 Tiの特徴・メリットやほかモデルとの比較を紹介しました。
RTX 2080 Tiは、WQHD環境や4K環境でも快適なプレイが可能なGPUです。
しかし、高グラフィックが求められる最新タイトルや将来性を考慮すると、現行モデルに劣る面もあります。
以下では、現行モデルとどちらを選ぶべきかの判断について解説。
どちらを購入するか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
安く手に入るならRTX 2080 Tiもおすすめ
中古市場で安く購入できるなら、RTX 2080 Tiは十分に選択肢に入るモデルです。
すでに後継モデルが多数登場していますが、RTX 2080 Tiは、少なくとも今後数年間は快適なプレイを楽しめる性能を持っています。
フルHD環境やWQHD環境でのプレイがメインの方は、RTX 2080 Tiで十分ともいえる性能です。
中古市場での価格が高くなっている点には注意が必要ですが、GTXシリーズからのアップグレード先としては、非常に有力。
購入を検討している方は、中古市場での価格動向を定期的にチェックしておきましょう。
これから購入するならRTX 3070
これからゲーミングPCを購入するなら、RTX 3070がおすすめ。
新品ではRTX 2080 Ti搭載モデルを選択できないうえ、種類も限定されます。
また、RTX 3070本体の価格は、RTX 2080 Tiの中古市場価格と大きな差がありません。
RTX 3070は、GPUのアップグレード先としても優秀で、搭載モデルも豊富です。
また、本体価格が下落傾向にあり、よりコスパに優れたモデルになっています。
将来性を考慮しても、これから購入を検討している方は、RTX 3070をぜひチェックしてみてください。
>>【2023】RTX 3070搭載ゲーミングPCおすすめ10選|特徴や性能も解説
まとめ
今回は、RTX 2080 Tiの特徴・メリットやほかのGPUと性能比較をしながら解説しました。
RTX 2080 Tiは、2023年現在でも高いゲーミング性能で、さまざまなタイトルを快適にプレイできるGPUです。
中古市場で安価に購入できれば、非常に魅力あるモデルなので、購入を検討している方は、定期的に中古市場をチェックしてみましょう。
ただし、すでにRTX 30シリーズやRTX 40シリーズがリリースされています。
前世代のモデルも価格が高騰気味なので、性能やコスパと相談しながら、自分に最適なGPUを選びましょう。