昨今の半導体不足の影響もあり、一時的に復活したRTX 2060を搭載したゲーミングに人気が高まっています。理由として、これまでに発売された『RTX 2080』などの上位機種よりも価格が安くなっており、ミドルクラスとして注目されているからです。
価格は4万円台となっており、発売初期と比べて64%の価格に下がっているのも理由のひとつとなっています。
最新のグラボのような高いレイトレーシングやDLSSを体感するには少々荷が重いです。4K解像度以上を求めるハードなユーザーには物足りなく感じますが、「WQHD(2560×1440)」までなら現役でプレイできるポテンシャルはあるので、まだまだ退役せずに頑張れます。
半導体不足の影響で後継機となる「RTX 2060 SUPER」搭載モデルが品薄状態の時、一時的に今回の「RTX 2060」搭載PCがドスパラをメインに販売されていました。現在はドスパラでの販売は終了しており、Amazonや楽天などで一部リノベーションPCとして販売されています。
最新のRTX 4000番台のグラボには性能面では劣るものの、ミドルクラスとしての性能は充分です。これからゲーミングPCを購入しようと考えているユーザーにもおすすめのモデルとなっています。
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RTX 2060はどんなグラボなのか?
発売された当時のRTX 2060は『気軽にレイトレーシングやDLSSを利用できるグラボ』として販売されました。ですが、現在のゲーミングPCとしてはそれほど適性のあるものではなく『通常のグラボ』として使用したほうが賢明です。
最新ゲームタイトルに求められる『4K解像度』の精細さや美麗なグラフィック、カクつきのない操作はこのグラボには荷が重いと感じられます。WQHDで平均70~80fpsがこのRTX 2060が活躍できる範囲となるので、ヘビーなタイトルでは60fpsを下回ることもありますが、目立ったカクつきは感じられません。
4K解像度以上はスペック的に難しくても、フルHD環境なら60fps以上でゲームをプレイ可能で、高リフレッシュレートのモニター性能を活かせます。ゲームタイトルによってはWQHDにも対応できるので、コストを抑えたPC購入を考えているなら狙い目のグラボです。
RTX 2060の基本性能
まずは今回紹介するRTX 2060のスペックを簡単に紹介しておきます。
RTX 4090 | RTX 2060 SUPER | RTX 2060 | |
---|---|---|---|
プロセッサ数 | 16384 | 2176 | 1920 |
ベースクロック | 2235MHz | 1470MHz | 1365MHz |
ブーストクロック | 2520MHz | 1650MHz | 1680MHz |
メモリスピード | 21Gbps | 14Gbps | 14Gbps |
メモリ量 | 24GB | 8GB | 6GB |
メモリバス帯域幅 | 1008GB/s | 448GB/s | 336GB/s |
TDP | 450W | 175W | 160W |
電源コネクタ | 8-Pin×3 | 8-Pin×1 | 8-Pin×1 |
比較として最新のRTX 4090と上位機種のRTX 2060 SUPERの詳細スペックを掲載しました。
メモリバス帯域幅やメモリ量は最新のものと比べて大きな差がありますが、TDPは1/3近くの省電力となっています。最新のものは必要な補助電源コネクタ数も多く、PC電源もコネクタの多いものを選択する必要がありますが、RTX 2060なら標準の電源で大丈夫です。
ミドルクラスとしてはまだまだ現役
最新のRTX 4000番台と比べると、どうしても性能面で時代遅れな感じがするのは否めません。ですが、コストを抑えたミドルクラスのグラボとしてはまだまだ現役モデルとして充分な性能を持っています。
フルHD環境で考えれば、それなりに高い設定でも最近のゲームタイトルを遊ぶ事は可能です。設定を調整し、許容できる範囲で画質などを下げればWQHDで対応可能なタイトルもあるので、あと数年はストレスなく使えます。
かなり重量級のタイトルである『モンスターハンターワールド』も高画質な86fpsでプレイ可能で、グラフィックメモリ消費量の高い『Apex Legends』も最高画質で144fpsを確保しています。
動作の軽い『フォートナイト』では高fpsモニターの性能を充分発揮できるので、コストを抑えつつ人気タイトルを遊びたいユーザーにおすすめのグラボです。
レイトレーシングやDLSSを活用するには少し厳しい
RTX 2060はレイトレーシング用のコアやTensorコアが搭載されていますが、同コアの技術が使えるゲーミングPCのなかでは最下位のグラボとなっています。
この技術が使えるとはいえ、性能面ではやや不安定なのは否めません。フレームレートが安定せず快適なプレイを楽しむには少々厳しいので、レイトレーシングやDLSSの機能を目的としたタイトルをプレイするために同グラボを選択するのは避けたほうが無難です。
後継機であるRTX 2060 SUPERは、こういった弱点をカバーしたグラボだといえます。
設定を落とせば多少は重量級タイトルもプレイ可能とはいえ、ヘビーユーザーにも快適にプレイできる環境を構築するにはこのグラボでは難しいです。
あくまで『技術を体験する』ことを目的として選択するなら、まだまだ現役といえます。
同シリーズのなかでは妥当な価格設定である
このRTX 2060というグラボは、同シリーズのRTX2000番台のなかでも妥当な価格設定だといえます。理由として上位機種であるRTX 2080やRTX 2080 Tiなどは競合するものが無く、価格的にもかなり強気になっているからです。
それに対してRTX 2060には比較対象としてGTX 1070やGTX 1070 Tiなどがあり、前世代のグラボとは『価格』で勝負するしかありません。
比較対象であるGTX 1070シリーズの次世代品であるRTX 2000番台が発売初期と比べて64%の価格で入手可能なのは、ユーザーにとってかなり魅力的な価格だといえます。
「そこまでヘビーな使いかたを想定していない」ライトなユーザーには、手軽な価格でレイトレーシングやDLSSの技術を体験するにはおすすめのグラボです。
RTX 2060を搭載したおすすめノートPC3選
ゲーミングPCといえば『高性能デスクトップ』をイメージする人は多いですが、最近はノートパソコンでも充分なスペックを備えたものが多く販売されています。デスクトップのような拡張性はなくても、持ち運びができて場所を選ばずにプレイ可能という面がノートパソコンの強みとなっているのです。
ここからは、そんなゲーミングノートPCを紹介していきます。
MSI COMPUTER GP75 Leopard GP75-10SEK-038JP
By: ark-pc.co.jp
こちらはMSI COMPUTERから販売されているゲーミングノートPCで、CPUにはCore i7-10750H、メモリにDDR SDRAM 16GBが搭載されています。ストレージにはSSD 256GB+1TB HDDが使用されており、容量を気にすることなくゲームをインストールして楽しめます。
17.3インチスリムベゼルの大画面に92万画素のwebカメラ(マイク内蔵)もあるので、ゲーミングだけでなく実況などの動画配信にも使用可能です。
本体サイズは398.5×272×28mmに加え2.6kgと大きめでモバイル用途としては厳しいノートPCですが、『eスポーツを起点としたゲーマー達のゲーミング環境を進化させる』ために開発されたので、さらに上を目指す人にはおすすめの商品となっています。
MSI COMPUTER GF65-10SER-257JP
By: ark-pc.co.jp
こちらもMSI COMPUTERから販売されている製品で、幅広いジャンルのゲームをプレイ可能なゲーミングノートPCとなっています。CPUにCore i7-10750Hが搭載され、メモリは16GBで最大64GBまで増設が可能です。
本体サイズは359×254×21.7mmとA4サイズより少し大きいですが重さは約1.86kgと軽量なので出先でもゲームを楽しめ、144Hzの高リフレッシュレートな15.6インチモニターを使用しているのでフルHDの滑らかな映像を体験できます。
2年間の国内メーカー保証がついているので、万が一のトラブルにも国内の修理センターが迅速に対応してもらえるのがおすすめポイントです。
AORUS 15-WA-7JP1132SW
By: ark-pc.co.jp
こちらのノートPCはマザーボードのメーカーで有名な『GIGABYTE』から販売されているゲーミングノートPCで、CPUには第9世代のCore i7 9750H、メモリにDDR SDRAM 16GBが搭載されています。
ストレージはSSD 512GB+HDD 2TBとかなりの大容量で、Microsoft Azureと協力して開発された世界初のAIノートPCとなっています。
本体サイズは361×24.4x246mmで重量は約2.4kgとなっており、本体側面にある排熱口やほかのノートPCとは違った外観が特徴的です。
スリムベゼルの15.6インチディスプレイは144Hzの高リフレッシュレートIPSモニターなので、高画質で滑らかなゲーミングを楽しめます。
まとめ
RTX 2060のグラボや搭載されているPCは、最新タイトルのハードなプレイやヘビーなユーザーには少々物足りなく感じる性能です。
しかし『ミドルクラス』としての性能は充分にあり、初めてゲーミングPCを購入しようとしている人や『サブPC』として考えているユーザーにはコスパのよい狙い目のマシンとなっています。
理由として以下が挙げられます。
- 発売初期の64%まで価格が下がっていること
- ミドルクラスゲーミングPCとしてレイトレーシングやDLSSを体験できる
- ゲームタイトルによっては高fpsモニターの性能を活かせる
- 比較的ライトなユーザーにはちょうどいいスペック
現在RTX 2060搭載のPCは品薄状態なので、購入を検討しているなら早めにチェックすることをおすすめします。