AC充電器や充電ケーブル、モバイルバッテリーなどの充電機器を購入する際、製品のパッケージに「PD」や「PD-PPS」「QC」「かしこく充電」などの表記を目にしたことはありませんか?
これらの表記は充電規格や機能を示すもので、製品を購入する際の使用している端末の性能に適合しているかどうかの確認に役立ちます。
しかし、表記の特徴や違いに関しては理解しづらいという方も多いかもしれません。
そこで本コラムでは、これらの表記にいったいどのような特徴や違いがあるのかを解説します。
PD(Power Delivery)
PDとは「Power Delivery」の略称で、USB Type-Cポートを用いて最大240Wまでの受給電を可能にするUSB電力拡張規格です。
この規格により、PD普及前に販売されていた充電器よりも速く端末を充電することが可能です。
現在ではUSB Type-Cに対応した機器が増えたことで、多くの充電器やモバイルバッテリーなどにPDが採用されています。
なお、PD充電を行う際の注意点として
・利用する端末
・充電器
・ケーブル
のすべてがPDに対応している必要があります。
PD充電を利用する際は、お使いの機器がPDに対応しているかを確認しましょう。
さらにPDについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧下さい。
PD-PPS(Programmable Power Supply)
PD-PPSのPPSとは「Programmable Power Supply」の略称で、PDよりもさらに効率よく高速な充電が可能なPDの拡張規格です。
接続した端末に合った電力を通常のPD充電よりも細かく調整しながら供給することで、効率的に充電することが可能な規格です。
これにより、端末の発熱を防ぎ、バッテリーの寿命を延ばすことにもつながります。
なお、PD-PPS充電を利用するには、端末と充電器がPD-PPSに対応していて、ケーブルがPDに対応している必要があるので注意しましょう。
QC(Quick Charge)
QCとは「Quick Charge」の略称で、米国Qualcomm社が開発したスマートフォンやタブレットを高速で充電できる規格です。
高速充電でいえばPDと考え方は同じですが、QC2.0・3.0はPDと互換性はありません。
一方でQC4以降の規格はPDと互換性があり、QC4以降に対応している端末であればPD対応充電器でも高速充電が可能です。
QC充電を利用するには、端末、充電器、ケーブルのすべてがQC(QC4以降はPDも可)に対応している必要があります。
かしこく充電
かしこく充電とは、充電する端末に応じて最適な電流を選択して充電を行う機能です。
USB Type-Aポートに搭載された「Smart IC」により、接続した機器に応じて充電器から出力する電流を切り替える仕組みです。
この仕組みにより、接続した機器に過剰な電流を流さず安全に充電できます。
なお、この仕組みは、USB Type-Aポートに搭載されている機能のため、接続機器にあったケーブルであればかしこく充電が機能します。
おわりに
今後も増えていくことが予想される充電規格。
より速く、より効率のよい充電が可能になる一方で、購入するときの選択肢が複雑になり、悩みの種となっていることでしょう。
目にしたことはあっても意味が分からなかった表記も、本コラムを参考に意味を理解し、自分が使用している端末に合った充電器選びの参考になれば幸いです。