オリジナルのモバイルバッテリーをOEM、ODMで生産することは、独自のデザインと機能性でブランドを強化したい企業にとって理想的な選択肢です。
記事では、オリジナルのモバイルバッテリー製造を成功させるために不可欠な以下のポイントをわかりやすく解説します。
- OEMとODMの基本や違い
- ベースとなるモバイルバッテリーの種類と特徴
- 製造プロセスの流れ
- 製造のポイント
- OEMとODMメーカーの選び方
自社のイメージに合い企業のブランド価値を高める高品質なモバイルバッテリーを生産し、市場に投入しましょう。
OEM・ODMとは?自社オリジナルのモバイルバッテリー生産が実現
OEMまたはODMを活用すれば、製造工場や製造技術、人的リソースを持たない企業も自社ブランドのモバイルバッテリーを生産できます。
はじめて自社ブランドのモバイルバッテリーを生産するケースはもちろん、顧客ニーズに合わせて、ブランドのラインナップを拡充することも可能です。
OEM、ODMともに、委託企業(=生産を依頼する企業)が、外部のメーカー(=OEMまたはODMの製造会社)に委託してオリジナルのモバイルバッテリーを作る形式は共通です。
OEM、ODMを活用すれば、最小限の金銭的・人的コストでオリジナルのモバイルバッテリーを市場に展開することができるでしょう。
OEM・ODMモバイルバッテリーの違いと特徴
OEMとODMでモバイルバッテリーを生産する場合、それぞれにどのような違いがあるのか、どういった企業に向いているのかについて詳しく解説します。
OEMで生産するモバイルバッテリーと向いている企業
OEM(Original Equipment Manufacturing/Manufacturer)で生産されるモバイルバッテリーは、委託企業が製品のコンセプトやデザインなどの企画・設計・開発をすべて決定し、メーカーはそれに基づいてモバイルバッテリーを生産する形式です。
メーカーは提供されたコンセプトや仕様に沿った製品を、委託企業のブランド商品として製造〜品質管理〜梱包・配送までを担当します。
OEMは、独自のコンセプトや施策制定、デザインを決めることはできるものの、製造に関するリソースを持たない企業などに有効です。
ODMで生産するモバイルバッテリーと向いている企業
ODM(Original Design Manufacturing)で生産されるモバイルバッテリーは、製造だけでなく、製品のデザインや機能設計など基本的な部分からメーカーが担当して生産する形式です。
委託企業は、製品の基となるコンセプトや希望などベース部分の企画のみを提供します。
メーカーは委託企業から提供されたコンセプトに沿い、デザイン・機能設計〜製造〜品質管理〜梱包・配送までを担います。
ODMは、デザイン開発や企画立案に関するリソースのない企業や、豊富な経験を持つメーカーのノウハウを借りて最小限のリソースで製品開発を行いたい企業に適しているでしょう。
【製品例】OEM・ODMで生産できるモバイルバッテリーの種類と特徴
OEM、ODMでモバイルバッテリーを生産する際に参考となる、モバイルバッテリーの主な種類やデザインを紹介します。これらをベースとして、自社のニーズに合わせたカスタマイズや、オリジナル製品の開発が可能になるでしょう。
①スリムタイプ
▼モバイルバッテリーの製品例はこちら▼
スリムタイプのモバイルバッテリー製品例|オウルテック
薄型のスリムタイプは印刷面が平らで広いため、オリジナルデザインを印刷しやすく、映えやすいのが特徴です。OEM、ODMで生産するモバイルバッテリーの中でも、独自のデザインを重視したいときにおすすめです。
以下のようなターゲット層を対象とするときに、検討したいタイプといえるでしょう。
【ターゲット例】
- アニメ・アイドル・スポーツチームなど推しデザインや推しキャラクターに、興味・関心を持つ人
- 製品自体は、シンプルなデザインや性能を好む傾向の人
- 外出時のスマートフォンやワイヤレスイヤホンの利用頻度は、普通程度の企業や学生 など
②大容量タイプ
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大容量タイプのモバイルバッテリー製品例|オウルテック
明確な定義はありませんが、一般的にモバイルバッテリーの容量が10000mAh以上のタイプを大容量タイプなどと呼び、スマートフォンの利用頻度が高いターゲット層に向いている製品です。
10000mAhの容量でスマートフォンなどに充電できる回数は、例えばiPhone SE(第3世代)であれば約3回分のフル充電が可能というのが一つの目安です。しかし、機種によっては1回程度のフル充電となることもあるため、容量については企画段階で慎重に検討することをおすすめします。
モバイルバッテリーの種類によっては、ノートPCやタブレットに充電できるタイプもあります。
【ターゲット例】
- 外出時間が長い会社員(営業系部署、建設現場・倉庫現場など)や学生
- 旅行、アウトドア活動、スポーツ観戦が趣味の人
- スマートフォンのヘビーユーザー など
③高速充電タイプ(PD対応タイプ)
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高速(超速)充電タイプのモバイルバッテリー製品例|オウルテック
高速充電タイプのモバイルバッテリーは、短時間で効率的に充電できることが特徴です。PD(PowerDelivery・パワーデリバリー)での高出力充電に対応しているため、短時間でスマートフォンやタブレット、ノートPCの充電をしたいときに活用します。
【ターゲット例】
- 建設業や倉庫業など、オフィスと現場の行き来が激しく急いで充電する必要がある人
- 最新のITグッズに興味・関心が高い人
- 常にスマートフォンやノートPCを使用している会社員や学生 など
※PD対応のモバイルバッテリーはPD対応の充電ケーブルでの使用、また、充電する側もPD対応デバイスであることが必須です。製品開発時にはセットでの販売を想定するか、使用説明書に注意書きを行う必要があります。
④スティックタイプ
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スティックタイプのモバイルバッテリー製品例|オウルテック
スティックタイプのモバイルバッテリーは、リップスティックのようなコンパクトなデザインと携帯のしやすさが特徴です。
ブランドコンセプトに合うボディカラーや、ロゴを施したおしゃれなカスタマイズモデルのベースとしておすすめです。
1回で充電できる回数として、「②大容量タイプ」で紹介したiPhone SE(第3世代)を例にすると、大容量タイプの1/3にあたる、約1回分のフル充電が可能というのが一つの目安です。
【ターゲット例】
- コンパクト・軽さから広い年齢層の女性に人気
- スタイリッシュさやおしゃれさを好む若年層
- コンパクトなバッグや最低限の持ち物を好む傾向の人 など
⑤乾電池式タイプ
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乾電池タイプのモバイルバッテリー製品例|オウルテック
乾電池式モバイルバッテリーは、スーパーやコンビニで買えるアルカリ乾電池を使って充電するタイプです。
緊急時や電源が確保できない場所でも、乾電池があれば充電が可能で、災害備品としても喜ばれるモバイルバッテリーになるでしょう。
【ターゲット例】
- 災害・防災関連のイベントやセミナー参加者
- 自治体や学校など公的機関の担当者や関係者
- アウトドア関連ショップの利用客やオンライン会員 など
⑥ランタンタイプ
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ランタンタイプのモバイルバッテリー製品例|オウルテック
通常のモバイルバッテリーではなく、ユニークさを出したい、印象に残したい、アウトドアや防災関連の商品・サービスを扱っているといったときに検討したいのが、ランタンタイプのモバイルバッテリーです。
通常は、キャンプや災害時の照明として使用しますが、モバイルバッテリーとして充電機能も兼ね備えているのが特徴です。
性能もアウトドアでの使用にマッチするように耐久性にも優れているのが一般的です。
【ターゲット例】
- アウトドア関連ショップの利用客やオンライン会員
- レジャー関連施設や、キャンプ施設の利用客やオンライン会員
- 防災意識の高いファミリー層や中高年層 など
オリジナルのモバイルバッテリーOEM・ODM製作|完成までの流れ・期間
オリジナルのモバイルバッテリーをOEM、ODMで生産する際は、コンセプト決定〜実際の製造〜完成〜納品といった一連の流れがあります。企画から製品になるまでの一般的なプロセスを確認し、OEM、ODM製造の具体的なイメージをつかみましょう。
※ここでは一般的なOEM、ODMの製造工程を紹介します。デザインや性能、状況などによって異なるため、ひとつの目安として参考にしてください。
1) OEM・ODMモバイルバッテリーのコンセプト・マーケティング戦略をたてる
オリジナルモバイルバッテリーの製造に際しては、まずはベースとなるコンセプトを軸に製品を企画していきます。これはOEM、ODMにも共通する作業です。
【コンセプトを考えるポイント】
- 狙うターゲット層
- オリジナルモバイルバッテリーを市場に投入する意図・目的
- 全体の予算
- マーケティング戦略
- 達成したいKPIやKGI
例えば、主なターゲット層が以下のように違えば、モバイルバッテリーのタイプや機能を変える必要があるでしょう。
- 40代、外回りの営業系男性会社員。妻子あり。趣味は休日に子どもと行くドライブ
→モバイルバッテリーのタイプ例:②大容量タイプ/③高速充電タイプ など - 20代、一般企業で内勤メインの女性会社員。独身。趣味はアニメや漫画
→モバイルバッテリーのタイプ例:①スリムタイプ/④スティックタイプ など
また、そもそも企画があった上でのOEM、ODM製品開発というケースもあるでしょう。
- ゲーム系や、アニメ・漫画系、推し活グッズ、イベント・ライブグッズ、野球、サッカー関連などのオリジナル商品としての企画。企業の記念品、卒業記念品など。
→モバイルバッテリーのタイプ例:①スリムタイプ など - スマートフォンやノートPCなどを製造または販売している企業、バッテリーにつなげて使うヒートベストや空調服の製造会社、USBを使った製造機器、工具メーカーなど、自社製品に合うOEM、ODMモバイルバッテリー製造の委託先を探している
→モバイルバッテリーのタイプ例:製品や企画に合うもの
どのようなケースでも、先にあげた【コンセプトを考える上でのポイント】を軸に、販売までを見据えたOEM、ODM企画を目指しましょう。
2) OEM・ODMモバイルバッテリーを製造できる企業の調査・検索
オリジナルモバイルバッテリーをOEM、ODMで製造する際には、依頼するメーカーの選定が重要です。
同じように見えるメーカーでも、製品の品質、デザインや企画を再現できる精度は大きく異なります。以下を参考に、自社の製品コンセプトに沿い、品質基準を満たすメーカーを見つけましょう。
【主な選定基準】
- 製品:モバイルバッテリー本体の品質、保証内容・期間
- 付属品:充電ケーブルなどの対応の有無、品質、保証内容・期間
- デザイン印刷:デザイン力、印刷技術(再現力)
- パッケージング:オリジナルパッケージの企画・デザイン力・印刷技術
- 品質管理・納期の厳守・アフターサービス など
▼OEM・ODM製作実績が豊富な国内メーカー オウルテックはこちら▼
高い技術・信頼の国内メーカーのOEM・ODM製作はオウルテック
3) OEM・ODMモバイルバッテリー生産の相談・打診
OEM、ODMモバイルバッテリーの製造を委託したいメーカーを絞り込めたら、相談・打診を行います。
1回目の相談では軸となる内容を提示し、メーカーが対応可能かをすり合わせることをメインに行います。
【1回目に相談する主な内容】
- 製品の企画内容
- 希望する仕様・機能(この段階では大まかなイメージでもOK)
- デザイン(この段階では大まかなイメージでもOK)
- 予算(委託企業側の希望)
- 製造ロット数
- 納期
- OEM、ODMどちらを希望するか など
【2回目以降に相談する主な内容】
- 製品の仕様・機能の詳細(ODMであれば基本となる企画)
- デザインの詳細(ODMであれば基本となるデザインやキャラクター、色味の指定など)
- 予算(メーカー側の見積もりとのすり合わせ)
- サンプルの納期や個数
- 最終的な製造ロット数や納期
- 秘密保持契約 など
4) OEM・ODMモバイルバッテリーの正式発注
委託内容が合意に達したら、製品のデザイン・仕様・発注個数・納期・価格などを最終決定し、OEMまたはODMモバイルバッテリーの製造を正式に発注します。
この段階で、契約書や発注書が作成され、合意内容が明確に記載されます。
5) サンプルチェック
正式な生産に入る前に、サンプルチェックを行うのが一般的です。
理由は、色、素材の質感などは、実物を手に取ってみるとイメージと異なることがあるからです。
PD(Product Description・製品説明・商品概要)だけでは把握しきれない、製品の品質や実際の色味、質感、サイズ感をサンプルで確認し、メーカーと最終調整を行います。
6) 正式生産
サンプルチェックが承認された後、製造フェーズに入ります。この段階で、大量生産に向けた準備が整います。
サンプルチェック後に最終的に決まった品質を基準に製造ラインは設定され、徹底的な品質管理のもと製造が行われます。
7) OEM・ODMオリジナルモバイルバッテリーの完成
オリジナルモバイルバッテリー本体が完成したら、最終的な製品確認となります。
仕様書・サンプルなどに基づき、仕上がった製品のデザイン・機能・品質が要件を満たしているかの検品が行われます。必要であれば、細部の調整が行われることもあるでしょう。
このプロセスを通じて、消費者に自信を持って提供できる製品の完成です。
8) 梱包・包装 配送
製品が完成した後は、オリジナルのパッケージに梱包するのが一般的です。ブランドイメージに合うパッケージは、製品の第一印象を左右し完成したモバイルバッテリーの成功に大きく貢献します。
配送にあたっては、適切な梱包材を使い製品が輸送中に損傷するリスクを抑えることが重要です。製品を無事に配送するまでが、OEM、ODMによるモバイルバッテリーの製造工程といえるでしょう。
オリジナルのモバイルバッテリーOEM・ODMの製作会社の選び方
自社に最適なOEMまたはODMメーカーの選択は、オリジナルモバイルバッテリーの成功に欠かせません。メーカー選びのポイントを解説します。
モバイルバッテリーの種類が豊富
OEMやODM製造を依頼しようとしているメーカーが、どれくらい豊富な種類のモバイルバッテリーやデザインを作っているか事前に確認してみましょう。
理由は、ベースとなるモバイルバッテリーのタイプやデザインが豊富であることは、委託企業のニーズに応える製品設計力、デザイン力、製造・印刷技術が高いといえるからです。
この視点は、理想的な製品を生産する際のカギとなります。
PSEマークなど高品質の製品を提供できるところが◎
OEM、ODMで生産するオリジナルモバイルバッテリーは、自社のブランドとして販売するため、販売後のトラブルがないよう製品の品質や安全性の確保は最優先事項となります。
PSEマーク(※)などの安全性をクリアできることは基本事項といえるでしょう。
また、万が一、販売後にトラブルが起こった場合も、メーカーとして対応してくれるかは非常に重要な判断基準です。「メーカー保証を設定できる」「アフターサービスの窓口がある」メーカーを選びましょう。
※モバイルバッテリー製造で重要なPSEマーク
モバイルバッテリーを製造する際は、製品の安全性や信頼性を示すPSEマークの表示が義務になります。OEM、ODMメーカー選びでは、PSEマークの品質基準を満たせるメーカーを選ぶことが非常に重要です。
参考:PSEマークとは?マークがついていると何がわかる?ひし形と丸形の違いなども解説|オウルテック
パッケージまでこだわれるか
モバイルバッテリーのパッケージデザインは消費者の第一印象を決定づけ、ブランドイメージを高める重要な役割を果たします。消費者の購買意欲を高め、製品の差別化を促すには、ターゲット層にマッチした魅力的なパッケージは欠かせません。
メーカーを決定する段階で、コンセプトやターゲット層に合致したパッケージをデザインできるかをしっかり確認しておきましょう。
おすすめ記事:OEMとODMの違いとは?委託・製造の違いと成功する製品開発戦略
オリジナルバッテリー製作はOEM・ODMで
オリジナルのモバイルバッテリー製造は、OEM、ODMを活用することで自社ブランドのコンセプトを表現する製品を最小限のリソースや投資のみで市場に投入できます。
本記事で紹介したポイントをふまえてメーカーを選び、理想的なモバイルバッテリーを生産しましょう。
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